日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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片側性びまん性陰影をきたし, 診断に苦慮した僧帽弁腱索断裂による急性僧帽弁閉鎖不全の1乳児例
林 初香梅原 実松本 多絵永渕 弘之林 憲一麻生 俊英川滝 元良
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2007 年 18 巻 1 号 p. 20-24

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抄録

今回, 我々は入院時の胸部X線写真で右側びまん性均等状陰影を呈した僧帽弁腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症の1例を報告した。症例は5ヶ月男児で, 重症呼吸不全のため当センターへ搬送となった。呼吸困難が出現する前に嘔吐と咳嗽が認められた。誤嚥性肺炎に伴う重症呼吸不全と診断して抗菌薬投与や人工呼吸管理等を開始したが改善はみられず, 心不全症状が増悪した。3-D心臓超音波検査により, 僧帽弁腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症と診断し, 僧帽弁形成術を行い臨床症状は改善した〇胸部X線写真で片側びまん性陰影を認める症例では, 本症例のような心原性の機序も念頭におく必要があると考えられた。

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