日本小児呼吸器疾患学会雑誌
Online ISSN : 2185-3754
Print ISSN : 0918-3876
ISSN-L : 0918-3876
2歳未満RSウイルス細気管支炎症例における重症度評価を目的としたクリニカルスコアの有用性
成相 昭吉
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 19 巻 1 号 p. 3-10

詳細
抄録

2歳未満RSウイルス (RSV) 細気管支炎症例の重症度を, 呼吸障害の程度と日常性への影響によって評価する「RSV細気管支炎クリニカルスコア」を作成した。呼吸障害クリニカルスコアは酸素飽和度・1分間呼吸数・呼気性喘鳴・陥没呼吸の4項目を, 日常性スコアは経口摂取・睡眠の2項目を, それぞれ0~2点の3段階で評価した。2006年10月から2007年3月までに, 基礎疾患等のない2歳未満RSV細気管支炎の外来例34例と入院例36例 (31例は初診時入院) に適用し, 初診時における評価を比較した。それぞれの平均は月齢が7.5カ月と8.7カ月, 初診病日が4.1日と4.5日で差はなかったが, 呼吸障害クリニカルスコアは2。5点と4.2点, 日常性スコアは0.9点と2.9点で, いずれも入院例が有意に高かった (p<0.001) 。本クリニカルスコアを2歳未満RSV細気管支炎症例に適用した場合, 呼吸障害クリニカルスコアが4点以上または日常性スコアが2点以上の症例は重症で, 入院が適当と考えられた。

著者関連情報
© 日本小児呼吸器疾患学会
次の記事
feedback
Top