抄録
2歳未満RSウイルス (RSV) 細気管支炎症例の重症度を, 呼吸障害の程度と日常性への影響によって評価する「RSV細気管支炎クリニカルスコア」を作成した。呼吸障害クリニカルスコアは酸素飽和度・1分間呼吸数・呼気性喘鳴・陥没呼吸の4項目を, 日常性スコアは経口摂取・睡眠の2項目を, それぞれ0~2点の3段階で評価した。2006年10月から2007年3月までに, 基礎疾患等のない2歳未満RSV細気管支炎の外来例34例と入院例36例 (31例は初診時入院) に適用し, 初診時における評価を比較した。それぞれの平均は月齢が7.5カ月と8.7カ月, 初診病日が4.1日と4.5日で差はなかったが, 呼吸障害クリニカルスコアは2。5点と4.2点, 日常性スコアは0.9点と2.9点で, いずれも入院例が有意に高かった (p<0.001) 。本クリニカルスコアを2歳未満RSV細気管支炎症例に適用した場合, 呼吸障害クリニカルスコアが4点以上または日常性スコアが2点以上の症例は重症で, 入院が適当と考えられた。