日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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新生児期および乳児期早期よりの気道過敏性とその経時的変化についての検討
上原 由美子阿部 時也
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1991 年 2 巻 1 号 p. 6-11

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抄録
新生児期よりの気道過敏性を, 五十嵐らの方法で, 経皮的酸素分圧 (tcPO2) 値を指標としたヒスタミン吸入試験を用いて測定した。対象は新潟市民病院新生児医療センター入院児で, これまでに157名 (男児74名, 女児83名) に気道過敏性試験を施行し, さらに, そのうち41名について再度試験を施行し, 経時的変化を観察した。157例のヒスタミン閾値の平均は, 5.8±2.2管 (5管: 625μg/ml) で, 閾値に男女差はなかった。3親等内のアレルギーの家族歴, RDS, 酸素投与, 人工換気の施行, 無呼吸発作の有無によって, 閾値に差があった。経時的観察をした41例の初回閾値 (Th-1) の平均は, 5.3管で2回目 (Th-2) の平均は7.7管 (7管: 2500μg/ml) と有意に上昇していた。Th-1とTh-2との間には有意な, 正の (r=0.397) 相関があった。閾値には, 年齢による変化, 家族歴, 喘鳴の既往, 新生児期のリスクなどが関係していた。気道過敏性を規定する要因について考察した。
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