生理心理学と精神生理学
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モノ作りコンセプトとしての「感動」の生理心理学的測定
山田 冨美雄江川 猛
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2006 年 24 巻 1 号 p. 49-56

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抄録

本論の目的は, 「感動」をモノ作りのための新しいコンセプトとして導入することであった。わが国におけるモノ作りコンセプトの歴史を概観すれば, 新しいコンセプトとして「感動」が必然的に浮上がる。「感動」とは, 驚きや興奮ワクワクする経験などで惹起される強い情動状態を端的に現す日本語である。「感動」の成立過程をFigure 1に仮説的に示した。即ち, (1) 無関心, (2) 受動的注意 (関心), (3) 能動的 (選択的) 注意, (4) 記憶との照合・内的注意, (5) 感情の喚起のあとに (6) 感動体験が発生するというものである。これらの仮説的過程のいくつかの段階は, ここ十年の問に確立された心理生理学的技法を用いれば, Figure 1に示す生体反応を指標として直接評価することができる。

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© 日本生理心理学会
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