日本補綴歯科学会雑誌
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重度慢性歯周炎を有する患者に咬合再構成した1症例
梅原 一浩
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2004 年 48 巻 5 号 p. 819-822

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抄録
症例の概要: 患者は65歳, 女性. 主訴は上顎右側中切歯の唇側転移による審美障害. 歯周初期治療を行った後, ホーレー・バイト・プレーンを用いて顎位を決定し, 前歯部を牽引した. 上顎前歯部はピンレッジを用いて固定と安定を図った.
考察: 重度の慢性歯周炎に罹患している患者では, 残存歯を保存するか否かの診断が難しい. ホーレー・バイト・プレーンの応用はこのような症例で咬合性外傷の管理, 下顎位の決定ならびにMinortooth movement (MTM) に有効であると考えている.
結論: 重度の慢性歯周炎に罹患した患者の補綴設計は, 残存歯の予後を考慮した治療計画の立案が必要である.
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