2006 年 50 巻 4 号 p. 569-572
症例の概要: 患者は58歳の女性. 主訴は咀嚼および審美障害であった. 上顎にアタッチメントを応用した片側遊離端義歯, 下顎に天然歯とインプラントを連結補綴し, 咬合再構成を行った.
考察: 13年経過した現在において上顎のアタッチメント・デンチャー, 下顎のインプラントは共に良好である. インプラント補綴において天然歯との連結は, その動揺度の違いから一般的には禁忌とされている. 但し, この症例のように多数歯を連結してブリッジとする場合は, 動揺自体の減少により動揺度が特に小さなインプラントとの連結も許容されるのではないかと考えられる.
結論: 咬合再構成を行うことにより長期に渡り安定した咬合状態ならびに口腔環境が得られた.