2006 年 50 巻 4 号 p. 565-568
症例の概要: 49歳女性が審美障害, 咀嚼障害を主訴に来院. 下顎両側臼歯部をインプラント支台のブリッジ, 上顎多数歯欠損をインプラント支台のオーバーデンチャーで補綴し, そのアタッチメントとして磁性アタッチメントを使用した.
考察: 上顎はインプラント同士を連結していないため, 偏心・機能運動時に特定インプラントへの応力集中が懸念される. しかし1年に1度のX線写真診査では, 歯槽骨の吸収などの所見は見られない.
結論: インプラント支台のオーバーデンチャーの維持装置として磁性アタッチメントを3年間使用したが, 特にトラブルは発生しなかった. 従って磁性アタッチメントはインプラントのアタッチメントとして有用と思われた.