論文ID: JJPTF_2023-S03
ここ20年,特にスポーツ選手がセルフケアとしてフォームローラーを行う場面を多く見る。しかし,その効果については十分明らかになっていなかった。そこで我々は若年者を対象に即時的および長期介入効果の検討,また実際の理学療法現場を想定して損傷筋(遅発性筋痛)に対する効果の検討を行った。その結果,通常のフォームローラー介入では関節可動域は増加する一方,筋硬度の指標である筋弾性率に有意な変化は認められなかった。しかし,振動療法を同時にできる振動付きフォームローラー介入では特に筋腹部分を刺激することで筋弾性率が減少する可能性を示すことができた。また損傷筋に対するフォームローラー介入においても疼痛や関節可動域の改善効果が認められる結果となった。以上より,今後,臨床現場でフォームローラー介入がストレッチングに変わって用いる有用性を示唆することができた。