2024 年 2 巻 p. 55-63
【目的】低栄養・低身体活動量を認める化学療法中の肺癌症例に対して行った低強度運動療法の経験について報告する。
【症例】肺癌術後再発の80歳代女性でEastern Cooperative Oncology Group Performance Statusは2。化学療法中に食欲不振が改善せず、低身体活動量も伴い早期の治療中断が危惧された。理学療法は身体機能・骨格筋量維持のために自覚的運動強度(Borg Scale)11で運動療法を実施した。
【結果】化学療法は9コース遂行でき部分奏功が得られた。第3腰椎高位体脂肪面積は著しく減少した一方で、第3腰椎高位骨格筋面積、膝伸展筋力、Short Physical Performance Battery、普通歩行速度は維持できた。
【結論】栄養状態の改善が困難な低身体活動量の肺癌症例に対する低強度運動療法は身体機能・骨格筋量低下を防ぎ化学療法遂行に寄与できる可能性がある。