2025 年 3 巻 p. 13-19
【目的】化学療法後の乳がんサバイバーにおける身体活動(PA)が健康関連QOL(HRQOL)に及ぼす影響を末梢神経障害(CIPN)の程度を踏まえて明らかにすることであった。
【方法】インターネットを介したアンケート調査を実施した。調査項目は基本情報のほかPA(IPAQ短縮版)、CIPNおよびHRQOL(FACT-G/Ntx)であった。従属変数をHRQOL、独立変数をPA、CIPN、PAとCIPNの交互作用項とする順序ロジスティック回帰分析を行った。このモデルは年齢、body mass index、治療後経過期間で調整した。
【結果】72人の女性から有効な回答を得た。PAとCIPNはHRQOLの身体面(オッズ比 PA:1.69、CIPN: 0.32)および機能面(PA:1.53、CIPN:0.52)とそれぞれ有意に関連した。PAとCIPNの交互作用は有意ではなかった。
【結論】化学療法後の乳がんサバイバーにおいてPAはCIPNにかかわらずHRQOLに対する正の効果があることが示唆されるが、CIPNの程度によってPAのHRQOLに対する効果に違いがあるとはいえなかった。