日本赤十字看護学会誌
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研究報告
双子を出産した女性の母子健康手帳に対する認識
藤井 美穂子佐藤 朝美
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2020 年 20 巻 1 号 p. 52-60

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抄録

目的:双子を出産した女性の母子健康手帳に対する認識を明らかにする.

方法:双子を出産した初産婦5名を対象に半構成的面接法を用いデータを収集した.質的記述的に分析し,母子健康手帳に対する認識を明らかにした.

結果:母子健康手帳に対する認識について,【双子の母親となる覚悟の証】【母親となることの希望を与える手帳】【ハイリスク妊娠の不安による回避の対象】【子どもの経過を伝えるカルテ】【双子ゆえに躊躇する記録物】のテーマが見出された.双子を出産した女性は,手帳に記載されている単胎児用の発育曲線を見て,ハイリスク妊娠への不安を抱き,妊娠後期の管理入院によって母子健康手帳が私的所有物という認識は途絶えていることが明らかとなった.

結論:双胎妊娠に対応した母子の体重指標を用いた保健指導を実施し,妊娠中の不安軽減を図ることが重要である.また,管理入院中の母子健康手帳の活用を促す必要性が示唆された.

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© 2020 日本赤十字看護学会
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