目的 成人看護学(急性期)実習における看護系大学生の看護上の判断力を育成するために,学生と共にケアを実施している臨地実習指導者に焦点をあて,臨地実習指導者が,学生が行う受け持ち患者への「ケア実施に伴う決定」をどのように捉え,学生に関わっているのかを明らかにすることを目的とした.
方法 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた質的探索的研究.
結果 学生の看護上の判断力育成に向けた臨地実習指導者の関わりは,ケア実施前の〈学生を患者理解に引き寄せたすり合わせ〉,ケア実施中の〈患者の安全を前提とした上での学生とのケア実施〉,ケア実施後の〈学生の意識化を促し患者の状態理解へとつなげていく〉というプロセスで示された.
結論 学生の看護上の判断力育成に向けては,看護上の判断自体の妥当性を検討するためにも深い患者理解と,判断するという1点だけではなく,継続的な学生へのおさえが不可欠であることが示唆された.