日本赤十字看護学会誌
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原著
成人看護学(急性期)実習における看護系大学生の看護上の判断力育成に向けた臨地実習指導者の関わりのプロセス—「ケア実施に伴う決定」に着目して—
阿部 オリエ
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2021 年 22 巻 1 号 p. 29-40

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抄録

目的 成人看護学(急性期)実習における看護系大学生の看護上の判断力を育成するために,学生と共にケアを実施している臨地実習指導者に焦点をあて,臨地実習指導者が,学生が行う受け持ち患者への「ケア実施に伴う決定」をどのように捉え,学生に関わっているのかを明らかにすることを目的とした.

方法 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた質的探索的研究.

結果 学生の看護上の判断力育成に向けた臨地実習指導者の関わりは,ケア実施前の〈学生を患者理解に引き寄せたすり合わせ〉,ケア実施中の〈患者の安全を前提とした上での学生とのケア実施〉,ケア実施後の〈学生の意識化を促し患者の状態理解へとつなげていく〉というプロセスで示された.

結論 学生の看護上の判断力育成に向けては,看護上の判断自体の妥当性を検討するためにも深い患者理解と,判断するという1点だけではなく,継続的な学生へのおさえが不可欠であることが示唆された.

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© 2021 日本赤十字看護学会
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