2020 年 39 巻 1 号 p. 1-5
目的:胸骨圧迫の実習において,手技の修得に男女間で差があるかを検討した。
方法:帝京大学薬学部4年生251名(男性96名:女性155名)を対象に,リアルタイムフィードバック装置付きシミュレータ用いて胸骨圧迫の手技を評価し,実習後の修得に男女間で差があるかを解析した。
結果:圧迫の深さ(50mm~60mm)を維持できた割合を男女間で比較すると,男性群では47.3%,女性群では64.8%であり,女性群で有意に高かった。また,十分な圧迫解除率も男性群で84.3%であったのに対し女性群では97.0%であった。
結論:実習後の女性群は,男性群に比べ胸骨圧迫の深さの有効率および圧迫解除率が有意に高く,学修効果が男女間で異なることがわかった。