蘇生
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心肺蘇生法講習会の問題点―医療従事者を対象とした講習会での検討―
土屋 正彦渡海 裕文原口 義座友保 洋三西 法正荒井 他嘉司真鍋 雅信
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1998 年 17 巻 2 号 p. 121-124

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抄録
医療従事者を対象として心肺蘇生講座 (初級) を行い, 実技実習に加え, 講座受講前後に心肺蘇生法の知識に関する筆記試験とアンケートによる意識調査を行った。受講前の筆記試験の得点は6.8点 (10点満点) で, 積極的に心肺蘇生を行うとする者の割合は受講者の四分の一以下の (21%) であり, 医療従事者であっても心肺蘇生法に対する知識や意識は十分でなく, 研修が必要であることが確認された。さらに, 心肺蘇生講座の受講者と未受講者の間で筆記試験の得点差が認められず, 過去の心肺蘇生法講習会が充分に役立っていない可能性も示唆された。したがって, 心肺蘇生法の正しい知識の普及のためには, 講習会の講師の資格や履修内容を検討するとともに, 受講経験者が少なくとも数年間に1回程度の頻度で定期的に履修内容を復習するシステムをつくることが重要と考えられた。
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© 日本蘇生学会
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