蘇生
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新規PACAP誘導体のグリア細胞を介する脳保護効果
宮本 麻央室園 美智博松本 晶平一色 淳渡辺 泰雄
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キーワード: グリア細胞, 神経保護
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2005 年 24 巻 1 号 p. 10-16

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抄録
グルタミン酸 (Glu) 誘発の脳細胞死に対するac-PACAP30の神経保護効果を検討した。生後8日齢ラットの小脳顆粒細胞を, グリア細胞と神経細胞が混在する群 (A群) , グリア細胞の増殖を抑えた細胞群 (B群) , の二群に分けた。細胞障害はcalcein蛍光法で, IL-6, GM-CSF発現はELISA法で解析を行なった。Glu誘発の脳細胞死発現はいずれの群においても約60%であった。しかし, A群ではac-PACAP30は10~1000fMの濃度で用量依存的に細胞保護効果を示した。
しかも, IL/6, GM-CSFともに濃度依存性の放出が認められた。一方, B群では細胞保護効果や神経保護サイトカイン放出も認められなかった。すなわち, ac-PACAP30はグリア細胞を介してIL-6, GM-CSFを放出させ, 極めて低濃度で脳保護効果をもたらすことが明らかになった。
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© 日本蘇生学会
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