日本農村医学会雑誌
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原著
独自に作成した調査票を用いた日帰り入院の食物経口負荷試験に関する意識調査
石田 翔二米山 俊之紺野 寿藤本 まゆ稲垣 瞳大谷 清孝
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2019 年 67 巻 6 号 p. 669-677

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抄録

 日帰り食物経口負荷試験(oral food challenge:OFC)に対する保護者の認識に関する検討が少ないため検討した。2015年4月から2016年5月に,外泊OFCの経験のある日帰りOFCを施行した患児の保護者に,日帰りOFC施行時に調査票を配布し,外泊OFCと日帰りOFCに関する意識調査を行ない検討した。除外対象は他院OFC経験者,および無効回答とした。日帰りOFC施行者は164人で除外対象を考慮した検討対象は全体で112人であり,また調査票の有効回答率は68%(112人)であった。外泊OFCの悪い点のうち,「翌日の来院」が全体で74%(83人)で最多であり,「夜間が不安」の12%(13人),「翌日の相談・質問ができる」の1%(1人)および「観察時間が長い」の12%(13人)より有意に多かった(各々p<0.01)。日帰りOFCの良い点では,「翌日の来院がない」が全体で87%(97人)で最多であり,「夜間が安心」の29%(33人),「翌日に仕事などに行けない」の38%(43人),および「観察時間が短い」の12%(13人)より有意に多かった(各々p<0.01)。日帰りの悪い点では,「夜間が不安」が全体で45%(50人)で最多であり,「翌日の来院がない」,の25%(28人),「翌日に仕事へ行かなくて済む」の24%(27人)および「観察時間が短い」の23%(26人)より有意に多かった(各々p<0.01)。OFCの希望は全体では外泊OFCの7%(8%)より日帰りOFCの78%(87人)の方が有意に多かった(p<0.01)。保護者は翌日の受診がないことから日帰りOFCをより希望していたが,当日の夜間に不安を感じる人が多い。

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© 2019 一般社団法人 日本農村医学会
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