気管チューブのカフ損傷時は気管チューブの交換が必要だが,気道確保困難症例などでは交換に危険を伴う場合がある。今回,カフ損傷をカフ圧自動調整器で管理できた症例を経験したので報告する。
症例は70歳代男性,体外式脊椎固定器装着下頸椎症性脊髄症に対し頸椎後方除圧固定術が予定された。気管挿管は意識下に軟性気管支鏡で経鼻的に行なったところ,カフ損傷を認めた。チューブエクスチェンジャー
®を用いて気管チューブを交換したものの,再度カフ損傷を認め,同様の方法で再々交換した。その直後はカフリークを認めなかったが,腹臥位とした後に換気量が徐々に低下した。カフリーク量は少なかったので,カフ圧自動調整器を接続すると換気量の低下なく,手術は完遂された。カフ損傷時にチューブ交換のリスクが高い状況ではカフ圧自動調整器を応急的に利用できる可能性がある。カフ損傷の原因は,鼻中隔の骨棘と相対的に太い気管チューブと考えられた。
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