農村部在住後期高齢者の精神的健康度に影響を及ぼす食生活に関連する要因を検討することを目的にB村在住の高齢者健康診査・栄養調査の参加者504名へ自記式質問紙を用いて調査した。調査内容は,精神的健康度の評価にWHO-5-J得点を用い,食生活に関する項目を把握し,一般線形モデルにより後期高齢者の精神的健康度に影響を及ぼす食生活に関連する要因を性別毎に分析した。
WHO-5-J得点が高かったのは,男性は主効果では,JST版活動能力指標合計点が高いであった。交互作用では,健康のため食べない食品がある群では,食品摂取多様性得点が高い群においてWHO-5-J得点がより高い傾向がみられた。女性は主効果では,JST版活動能力指標合計点が高い,農村ソーシャル・キャピタル指標が高いであった。交互作用は有意ではなかった。
農村部在住後期高齢者のWHO-5-J得点が高かった要因の背景には,男女ともに自家菜園の管理を通して社会的交流が促進され,いきがいを得たと感じた可能性があると考える。男性は自身の健康を維持増進しようとする保健行動が反映しており,女性は農作業を通した友人や近隣住民等との交流や地域行事への参加等といった農村ソーシャル・キャピタルが関連したと考える。農村部在住後期高齢者の精神的健康度に影響を及ぼす食生活に関連する要因は性別により異なることが示唆された。
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