日本農村医学会雑誌
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研究報告
セラピスト10ヵ条を用いた当院回復期リハビリテーション病棟の現状に関する調査
岩ヶ谷 佳那杉山 基
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2020 年 69 巻 1 号 p. 24-28

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抄録
 本研究の目的は,回復期リハビリテーション病棟の質向上に向けた行動指針である「セラピスト10ヵ条」の達成度を調査することにより,当院の現状,経験年数別の傾向を把握し,課題を明確化することである。方法は,当院回復期リハビリテーション病棟に従事する理学療法士26名,作業療法士11名を対象に,セラピスト10ヵ条の達成度を6段階リッカート尺度で回答するアンケートを実施した。統計は,全体及び経験年数毎(1~2年目,3~5年目,6年目以上)に各項目の達成度の平均値を算出し,経験年数の3群間比較を行なった。結果は,経験年数にかかわらず,2条の福祉用具の適合,9条のデータ管理,10条の職員教育の項目は達成度が低かった。9条,10条の組織マネジメントに関する項目については,全ての年齢層に対する教育システムの構築が必要であると考えられた。また,5条のカンファレンスによる他職種協働,7条の環境調整,10条の職員教育の項目で経験年数による達成度に有意差を認めたため,その原因を分析・改善する必要性が感じられた。
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© 2020 一般社団法人 日本農村医学会
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