日本農村医学会雑誌
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研究報告
成人急性虫垂炎に対する開腹手術と腹腔鏡手術の比較検討
佐久間 政宜久留宮 康浩水野 敬輔世古口 英菅原 元井上 昌也加藤 健宏秋田 直宏鳥居 直矢蟹江 恭和稲田 亘佑竹内 健司緒方 諒仁長田 祥子
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2020 年 69 巻 1 号 p. 43-47

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抄録
 成人急性虫垂炎に対する開腹手術と腹腔鏡手術の治療成績の比較検討を目的とした。当院では2013年は開腹手術が大勢であったが,2017年では腹腔鏡手術が大勢となったため,2013年開腹手術群92例(以下,OS群)と2017年腹腔鏡手術群88例(以下,LS群)を比較した。両群の年齢,性別,BMI(Body mass index),WBC値,CRP値,CT検査での穿孔性虫垂炎の割合において差は認めなかった。手術時間はLS群で有意に長かったが,出血量および術後合併発症率はLS群で有意に低かった。特に,中等量の出血に対する止血においては腹腔鏡手術が有利であった。成人虫垂炎に対して腹腔鏡手術は開腹手術に比べて有用であることが示唆された。
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© 2020 一般社団法人 日本農村医学会
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