抄録
退院支援を急性期の分野で行なった事例報告は少ない。経験年数の少ないA看護師が退院調整会議に参加し成功体験を得られたため報告する。退院支援調整会議に参加したA看護師へインタビュー法を用いて,情報収集を行ない逐語録に記し,質的研究をもちいてカテゴリーに分類した。【退院支援に必要な経験値】【得られた経験値】の2つの上位カテゴリー,【経験とイメージ】【退院支援の知識】【退院支援の機会の無さ】【退院支援の実行】【情報収集する機会】【他部門との調整】の6つの下位カテゴリーへ分類された。先輩看護師や,ケアマネージャー,医師など多職種から情報を得て,共有していくことで具体的な退院支援を考えることができ,退院時の問題を明確化できた。早期から患者や家族へ介入することでは,A看護師の達成感ややりがいにつながり,退院支援の成功体験につながった。