抄録
腰椎椎間板腔の接線X線画像解析処理技術は,医療画像情報技術の発展ともに急速に進歩している。それに対して,椎間板腔角度と接線X線入射角度の対比計測(幾何学的計測)による検討はなされていない。そこで,腰椎ファントム椎間板腔とフラットパネル検出器(X線平面検出器:FPD)を用いて撮影・対比計測した。その差異角度像の描出能を5段階分類で視覚評価した。腰椎正面像での椎間板腔描出能の描写精度向上への有効な接線X線入射角度指標があるかどうか検討した。差異角度は,0°~±9.0°の範囲であった。この範囲を±2.0°の5段階で,接線X線入射・差異角度範囲とした。腰椎正面描出像の椎間板腔視覚画像評価として設定した。
この画像評価の根拠とした椎間板腔と軟骨終板部の描出状態は,5.±2.0°≦:接線状描写で腔内極めて明瞭,4.±3.0~4.0°:軟骨終板は薄い楕円形で腔内明瞭,3.±5.0~6.0°:軟骨終板やや厚い楕円形で腔内不明瞭,2.±7.0~8.0°:軟骨終板・椎間板腔不明瞭,1.±9.0°≧:軟骨終板・椎間腔ともに観察不可と示唆できた。よって,接線X線入射角度の許容差異角度範囲は,画像評価3.(±5.0~6.0°)以内の精度が必要であると考える。
幾何学的計測による腰椎椎間板腔への接線X線入射角度の設定は,FPDと画像処理機能により,簡便性で精度良く計測できる。また,画像描出能の精度向上への新しい指標となりえる。