抄録
1972年の日中国交正常化後に永住帰国した中国帰国者の90%以上が70歳を超えており,介護ニーズが高まっている。本研究は,介護問題が深刻化する中国帰国者の支援検討の基礎資料を得るため,中国帰国者の在宅介護に関する研究論文の文献検討から,中国帰国者の介護に関する研究の概要と1世の介護問題とそれに対する提言を整理することを目的とした。医学中央雑誌,CiNii,PubMedで介護保険法施行2000年以降に公表された中国帰国者の介護に関する研究論文を検索し,5件を分析対象論文とした。結果,在宅介護に関する論文は少なく,中国帰国者1世のみならず2世を含んだ調査であった。データ収集では中国語の翻訳者や通訳者を必要とする調査であった。介護問題は,文化的差異から生じる問題,制度に関する問題,地域社会での支えに関する問題の3つがあげられた。提言は,それら各介護問題に対してと調査研究の必要性の計4つがあげられた。