日本農村医学会雑誌
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原著
臨床検査技師による胎児超音波検査の取り組みと課題
林 美月松川 泰井上 美奈左右田 昌彦加藤 悠太山内 桂花柴田 茉里水野 輝子熊谷 恭子木村 直美樋口 和宏
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2024 年 73 巻 4 号 p. 356-362

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抄録
 超音波検査による胎児形態異常の評価は出生前診断の1つであり,周産期管理において重要な検査であると考える。当院では,2014年7月より臨床検査技師が妊娠22週以降の検査希望妊婦を対象に胎児形態評価のための胎児超音波検査を行なっている。2014年7月から2021年12月の期間に実施した胎児超音波検査のうち,児の転帰不明症例,再検査症例を除く2,186例について,検査時所見と出生後所見の診断の差異について調査,検討を行なった。胎児超音波検査時に形態異常所見ありと報告した79例のうち,出生後形態異常所見ありと診断された症例(Ⅰ群)は39例,出生後形態異常所見なしと診断された症例(Ⅱ群)は40例であった。検査時に形態異常所見なしと報告した2,107例のうち,出生後形態異常所見ありと診断された症例(Ⅲ群)は95例,出生後形態異常所見なしと診断された症例(Ⅳ群)は2,012例であった。検査精度は対象症例全体で感度29.1%,特異度98.1%,陽性的中率49.4%,陰性的中率95.5%であった。限られた時間の中で行なう妊婦健康診査(以下,妊婦健診)では対応しきれない可能性がある胎児形態評価を臨床検査技師が実施することは,周産期管理において有用であると考える。
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© 2024 一般社団法人 日本農村医学会
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