抄録
内因性ショック傷病者に対する病院前輸液の影響は不明のままである。本研究は,内因性ショック傷病者に対する病院前輸液の影響を明らかにするため実施した。
安城更生病院救命救急センターデータベースから,内因性ショック傷病者を抽出し,搬送前後のショックインデックス(SI)を比較するとともに,病院前総輸液量とSIの変化量の関係を調査した。
SIを1未満,1以上1.5未満,1.5以上2未満,2以上に分類し,輸液後のSIが輸液前のSIと比較して維持・改善できた傷病者は249例中238例(95.6%)であった。また,病院前輸液の実施によりSIが維持改善・悪化の予測に最適な病院前総輸液量のカットオフ値は260mLであった。加えて,循環血液量減少性ショックおよび血液分布異常性ショックにおける病院前輸液に対するSI維持率はそれぞれ94.9%および96.4%であった。
内因性ショック傷病者に対する病院前輸液において,病院到着時のSIが約95%維持・改善していた。また,内因性ショック傷病者における搬送中のSIの維持・改善に対する病院前総輸液量のカットオフ値は260mLであった。