日本農村医学会雑誌
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CTにより診断された脂肪肝の臨床的検討
森本 哲雄村田 欣也新村 和典門 裕二斉藤 満水田 実
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1987 年 36 巻 4 号 p. 928-932

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抄録
CTによって脂肪肝と診断された症例について, 臨床的に検討した。脂肪肝の診断基準は, 肝脾率0.90以下の症例とした。脂肪肝では, 肝容積は対照群と比較して, 1%以下の危険率で有意に増加していた。しかし, 脾容積は有意差を認めなかった。
CTによって脂肪肝と診断された症例38例を, 原因別に肥満群15例, アルコール群14例, 糖尿病群4例, 原因不明群5例にわけて, 臨床的に検討した。各群における肝機能検査値の比較を行なうと, 肥満群とアルコール群の間で1%以下の危険率で有意差を認めた項目は, GOT/GPT (OP比), γ-GTP, CHE, LAP, ALBの5項目であった。コリンエステラーゼ値は, 肥満群では高値を示す症例が多かったが, アルコール群では低下する症例が多かった。脂質検査のうちでVLDLは, とくに肥満群において著明な高値を示した。
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