2025 年 14 巻 1 号 p. 2-8
COVID-19の診断にPCR検査は有用だが,症状改善後もPCR検査陽性は続くことがあり医療施設内での隔離解除の判断が難しくなることがある.今回,当院のCOVID-19入院症例226例(2022年1月1日〜2023年5月8日)の患者背景を抽出し,PCR検査陽性期間に関連する因子を検討した.高齢,糖尿病,血液悪性腫瘍,悪性リンパ腫,B細胞枯渇療法といった免疫抑制状態の症例ではPCR検査陽性が有意に延長していた.これらの症例では長期のウイルス排出が報告されており隔離解除には注意が必要である.