日本呼吸器学会誌
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症例
Nocardia pseudobrasiliensisによる播種性ノカルジア症の1例
我謝 正平 赤嶺 盛和有馬 聖志朗那覇 唯内原 照仁山本 和子
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キーワード: ST耐性, 肺ノカルジア症
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2025 年 14 巻 3 号 p. 131-135

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抄録

肺ノカルジア症は日和見感染症として知られる稀な感染症である.免疫低下状態の患者で発症することが多く,全身に播種性病変をきたすことで知られる.今回胸水培養からNocardia pseudobrasiliensisが検出され,播種性病変として脳膿瘍の合併を認めた症例を経験した.シプロフロキサシン(ciprofloxacin:CPFX)を中心とした抗菌薬治療を計12ヶ月間行い各病変の消失を確認した.本菌はスルファメトキサゾール・トリメトプリム(sulfamethoxazole-trimethoprim)に耐性を示すことも多く,菌種の正確な同定と抗菌薬感受性試験が重要と考えられる.

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© 2025 一般社団法人 日本呼吸器学会
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