抄録
本研究は,スマートフォンのアプリから得られた位置情報データから,時間帯ごとの流動人口を推定することを目的とする.まず,スマートフォンのアプリで取得される位置情報データはデータ取得の頻度が低いため,最短経路検索に基づき各個人の移動経路を推定した.次に,交通量調査結果と比較して,流動人口を求めるための回帰式を構築し,スマートフォンの位置情報データを用いて時間帯ごとの流動人口を推定した.本研究の結果は,災害発生時刻に応じた被災者人口や帰宅困難者数の推定などの防災面での利用や,バリアフリー化などの歩道環境整備の優先順位付けのような平常時の歩行環境整備計画の立案に貢献できる.