日本胸部疾患学会雑誌
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心タンポナーデを呈した良性縦隔奇形腫の1治験例
藤野 茂樹渡辺 洋宇佐藤 日出夫岩 喬松原 藤継北川 正信
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1980 年 18 巻 9 号 p. 649-653

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抄録
12才女児, 約1カ月前より発熱出現, 同時に縦隔の異常陰影を認めた. 入院後第5病日に突然, 咳嗽, 胸痛, 血圧低下が出現, 心タンポナーデと診断, 緊急ドレナージ手術を行った. 症状の軽快を待ち30日後に縦隔腫瘍を別出した. 病理学的に良性奇形腫で, その中に含まれていた膵組織からの消化液が肺及び心膜を侵蝕したために心タンポナーデを生じたものと考えられた. 患児は術後24日目に全治退院した.
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