抄録
当科に入院した間質性肺疾患患者51例とその他の各種呼吸器疾患193例の計244例における好中球スーパーオキサイド産生能を測定し, 今回はとくに間質性肺疾患での好中球スーパーオキサイド産生能を検討して興味ある知見を得た. 特発性間質性肺炎患者19例の平均は6.06±2.62nmol/5×105PMNs/min. と, 健常人および他疾患群に比し高い傾向を認めた. また, ステロイド投与を必要とした間質性肺疾患群の好中球スーパーオキサイド産生能は, ステロイドを必要としなかった群に比し有意な高値を示した (p<0.01). 検査所見との関係ではPaO2とA-aDO2に軽度の相関を認めた. 原発性肺癌患者に放射線治療を行い, 放射線肺炎を併発した7例のスーパーオキサイド産生能は10.0nmol以上の異常高値を示した. 間質性肺疾患や放射線肺炎の症例で, ステロイド減量中に病状の再悪化を来した数例では, 好中球スーパーオキサイド産生能の再上昇がみられた.