日本胸部疾患学会雑誌
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喘息家系における皮内反応, RAST, および血清総IgEに関する遺伝学的検討 -特に年齢的要素を加味した検討-
平谷 一人浅井 貞宏広田 正毅福島 喜代康門田 淳一中島 学渡辺 尚下田 照文坂本 裕二朝長 昭光原 耕平木谷 崇和Atsushi Saitoh
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1987 年 25 巻 8 号 p. 825-834

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抄録
気管支喘息の発症および病態形成に重要な役割を演じているアレルギー性因子に関し, 気管支喘息家系 (19家系) を用いて検討をおこなった. 即ち, 種々のアレルゲンに対する皮内反応性およびRASTを対象群全員について施行し, また血清総IgE値も測定した. さらに HLA-A, B, DR を typing した. 各種アレルゲンによる皮内反応およびRASTの反応性は年齢により陽性率が変化し, また血清総IgE値も年齢による変化をみとめたので, 比較的年齢の近い同胞群からHLAが相同な組みを選び出しこれらを対象にして遺伝学的検討をおこなった. 血清総IgE値, HLAと各種アレルゲンによる皮内反応性, RASTとの相関を検討したところHLAとの相関は認めなかったが血清総IgE値と室内塵 (H0, H1, H2), ダニ (D. E, D. P) において強い相関を認めた (いずれもP<<0.001). カンジダにたいする皮内反応性およびRASTはHLA, 血清総IgE値のいずれとも相関をしめさなかった. HLAと血清総IgE値の間にも相関を認めなかった.
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