日本胸部疾患学会雑誌
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受傷後33年経過して発症した外傷性横隔膜ヘルニア
丹羽 宏住田 紀夫星野 輝彦佐野 正明桑原 義之
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1987 年 25 巻 9 号 p. 1039-1043

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抄録
43歳, 主婦. 心窩部痛, 腹部膨満感を主訴とし某医を受診したところ, 胃透視にて胃が左胸腔内へ短軸に180度捻転し脱出していることから, 横隔膜ヘルニアとの診断を受け名古屋市立城西病院外科を紹介された. 開胸するとヘルニア嚢を欠き横隔膜には食道裂孔と腱中心の中間に直径約8cmの欠損孔を認め, そこから十二指腸を除いた胃から横行結腸までの全腸管が左胸腔内へ脱出していた. 胸腔側からのみでは還納不能で開腹を加え整復した. 33年前に交通外傷の既往があり, 外傷性横隔膜ヘルニアと診断した. 受傷後33年も経過した外傷性横隔膜ヘルニアは極めて稀である.
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