6例の胸部発生の Castleman リンパ腫を経験した. 発生部位は5例が縦隔, 1例が葉間リンパ節であった. 組織型で hyaline vascular 型の4例は, 胸部異常陰影以外, 臨床症状は認めなかった. 混合型の2例は胸部異常陰影の他に微熱, 倦怠感, 貧血, 高γ-globulin 血症を認めたが, 術後これらの症状は消失した. 本邦の130例の集計において, hyaline vascular 型が100例76.9%で大部分を占めており, 混合型, plasma cell 型は少なかった. また混合型, plasma cell 型は hyaline vascular 型に比し, 多発傾向と貧血, 発熱, 肝腫大, 血沈亢進, CRP強陽性, 高γ-globulin 血症を高率に認めた. 混合型, plasma cell 型では plasma cell dyscrasia と類似した組織所見を示すことがあるため, 免疫学的検索を加えた慎重な経過観察が必要であると考える.