気管支鏡検査の手技, 前処置に統一されたものはない. 現状を知るために東海地区29施設のアンケート調査にてその実態を調査した. 前投薬は Atropine sulfate と Hydroxyzine hydrochloride の組合せが最多で, その他 Pentazocine, 麻薬などであった. 麻酔では, Lidocaine 含嗽が半数の施設で行われていた. 咽喉頭麻酔は2%と4%の Lidocaine がほぼ半数ずつで, 気管支内注入は2% Lidocaine がほとんどであった. 検査後の抗生物質の使用にっいては, 9施設が気管支鏡施行全例に投与, 10施設が条件付 (血痰, 高齢者, 基礎疾患等) で投与していた. 使用抗生物質は Penicillin 系, Cephem 系の経口投与が多かった. 呼吸循環系のモニターでは, 心電図が14施設, 酸素モニターが5施設で, ともに高齢者, 心疾患, 低酸素症の症例に使用されていた. 今図の調査結果をもとに気管支鏡の手技, 前処置等につき, その有効性, 安全性, 効率などの面で再検討する必要があると考えられた.