日本胸部疾患学会雑誌
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発熱が自然に寛解した粟粒結核症の1例
雨宮 徳直岡部 外志彦木部 佳紀水橋 啓一藤村 政樹松田 保
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1994 年 32 巻 12 号 p. 1181-1186

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抄録
症例は23歳男性で, 20日間持続する発熱を主訴に来院し, 胸部X線写真にて両側肺野のびまん性粟粒影を指摘され, 精査加療のため入院となった. 粟粒結核症が最も疑われたが, 喀痰, 胃液, 骨髄液, および気管支肺胞洗浄液の Ziehl-Neelsen 染色はいずれも陰性であり, また経気管支肺生検を行っても, 診断に寄与する所見は得られなかった. 入院後は, 持続的な抗菌薬, 抗真菌薬, あるいは副腎皮質ステロイド薬等の治療は行わなかったが, 胸部X線写真における粟粒影は変化しなかったものの, 発熱は自然寛解した. 過敏性肺臓炎の可能性も考えられ, 確定診断のため, 開胸肺生検を実施すると, 乾酪壊死性類上皮肉芽腫が認められ, Ziehl-Neelsen 染色にて結核菌も証明され, 粟粒結核症と診断した. 発熱が自然寛解を示す粟粒結核症は比較的稀と考えられ報告した.
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