抄録
症例は56歳, 男性. 主訴は発熱. 3日前より38~40℃の高熱が続き, 頭痛も増強するため当科を受診した. 胸部X線写真にて左下葉に浸潤影を認め piperacillin, isepamicin および minocycline を投与したが増悪した. 低ナトリウム血症, 低リン血症を認め, レジオネラ肺炎の疑いが濃厚であることより erythromycin 点滴療法を考慮したが, 本剤の皮内テストが陽性であったため, roxithromycin 600mg/日投与開始した. その結果速やかな解熱傾向と著しい画像上の改善が得られた. 通常の erythromycin 点滴療法と並び roxithromycin はレジオネラ肺炎に有効な薬剤である可能性が推察された.