日本胸部疾患学会雑誌
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Roxithromycin が奏効したレジオネラ肺炎の1例
日置 詩子小川 晴彦藤村 政樹松田 保
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1995 年 33 巻 7 号 p. 775-779

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抄録
症例は56歳, 男性. 主訴は発熱. 3日前より38~40℃の高熱が続き, 頭痛も増強するため当科を受診した. 胸部X線写真にて左下葉に浸潤影を認め piperacillin, isepamicin および minocycline を投与したが増悪した. 低ナトリウム血症, 低リン血症を認め, レジオネラ肺炎の疑いが濃厚であることより erythromycin 点滴療法を考慮したが, 本剤の皮内テストが陽性であったため, roxithromycin 600mg/日投与開始した. その結果速やかな解熱傾向と著しい画像上の改善が得られた. 通常の erythromycin 点滴療法と並び roxithromycin はレジオネラ肺炎に有効な薬剤である可能性が推察された.
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