日本胸部疾患学会雑誌
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横隔膜重量と体成分諸指標との関連性 -剖検症例の検討-
西村 善博仲田 裕行松原 正秀岩井 泰博前田 均横山 光宏
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1996 年 34 巻 5 号 p. 501-505

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抄録

剖検症例における横隔膜重量と体成分分析諸指標との関連性を明らかにするために, 体成分分析を行いその後種々の疾病で死亡し, 剖検し得た22症例 (男性13例, 女性9例, 平均年齢70.8±16.8歳) について体成分分析, 横隔膜重量, 呼吸筋力を測定検討した. 体成分分析は Dual Energy X-Ray Absorptiometer (Norland XR26) を用い, 骨塩量, 脂肪量及び除脂肪体重を測定した. 横隔膜重量の平均値は185.2±58.2gで, 横隔膜重量は体重及び除脂肪体重とそれぞれ有意な正相関を認めた (r=0.77, r=0.73, p<0.01). 呼吸筋力を測定しえた8例では横隔膜重量は吸気最大口腔内圧と有意な相関 (r=0.73, p<0.05) を認めた. 以上より, 本体成分分析法は吸気筋量を間接的に評価できる可能性のある方法と考えられ, 吸気筋力には横隔膜筋量が関与していることが示唆された.

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