抄録
肝硬変症・糖尿病を基礎疾患とした Acute respiratory distress syndrome (ARDS) の1症例を経験した. 本症例は4ヵ月間に2度にわたり胸部レ線上びまん性浸潤陰影を呈し, 肺損傷スコアーが3.3点と高値であったことからARDSと診断した. ステロイドパルス療法が奏効したため救命し得たが, 2度目のARDS回復直後に急性肺炎を合併, 肝不全, 慢性腎不全の増悪により死亡に至った. 本症例の2度のARDSの発症機序は必ずしも同一ではないと思われたが, ARDSを短期間に繰り返した症例報告は稀であるので報告する.