抄録
症例1, 44歳男性, 脳梗塞の経過観察中に胸部異常陰影を指摘されたが, 無症状であった. CTおよびMRIにて頸部から右上縦隔にかけて嚢胞を認めたため, 外科的に切除を施行した. 症例2, 77歳女性, 骨粗鬆症の経過観察中に胸部異常陰影を指摘されたが, 無症状であった. CTおよびMRIにて縦隔内嚢胞が疑われたため, 胸腔鏡下嚢胞摘出術が施行された. 2症例とも摘出嚢胞は嚢胞状で壁は透明, 淡黄色透明の内容液で満たされていた. 摘出嚢胞の病理組織学的検索から縦隔内副甲状腺嚢胞であることが判明した. また2症例ともに明らかな副甲状腺機能亢進症状を伴わないことから非機能性であると考えられた.