日本胸部疾患学会雑誌
Online ISSN : 1883-471X
Print ISSN : 0301-1542
ISSN-L : 0301-1542
縦隔内副甲状腺嚢胞の2例
平野 博嗣室谷 陽裕宮本 良文坪田 紀明加堂 哲治高田 桂木
著者情報
キーワード: 縦隔内副甲状腺嚢胞
ジャーナル フリー

1997 年 35 巻 1 号 p. 82-88

詳細
抄録
症例1, 44歳男性, 脳梗塞の経過観察中に胸部異常陰影を指摘されたが, 無症状であった. CTおよびMRIにて頸部から右上縦隔にかけて嚢胞を認めたため, 外科的に切除を施行した. 症例2, 77歳女性, 骨粗鬆症の経過観察中に胸部異常陰影を指摘されたが, 無症状であった. CTおよびMRIにて縦隔内嚢胞が疑われたため, 胸腔鏡下嚢胞摘出術が施行された. 2症例とも摘出嚢胞は嚢胞状で壁は透明, 淡黄色透明の内容液で満たされていた. 摘出嚢胞の病理組織学的検索から縦隔内副甲状腺嚢胞であることが判明した. また2症例ともに明らかな副甲状腺機能亢進症状を伴わないことから非機能性であると考えられた.
著者関連情報
© 日本呼吸器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top