抄録
症例は57歳の男性で, 検診で肺野に異常陰影を指摘された. air-bronchogram を伴う浸潤影が両側肺野に3ヵ所認められた. 経気管支生検標本では, 気管支粘膜下に小型リンパ球の増殖が認められ, in situ hybridization を用いてその monoclonality を証明し, 肺悪性リンパ腫と診断した. LSG分類では, B cell, diffuse small cell type と診断した. 合併症が多くしかも治療抵抗性であったためエトポシド少量連日投与を開始した. 肺悪性リンパ腫の大部分を占める低悪性度群の治療にあたっては, エトポシド連日投与のような単剤療法も考慮すべきである.