日本胸部疾患学会雑誌
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体外膜型肺 (ECMO) によって救命し得た重症レジオネラ肺炎による急性呼吸不全の1例
中嶋 治彦大平 徹郎斎藤 亮彦佐藤 一範五十嵐 謙一鈴木 栄一荒川 正昭Tatsuya Kutsuwada
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1997 年 35 巻 12 号 p. 1363-1367

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抄録

症例は57歳の男性. 1996年4月中旬より発熱, 咳嗽, 呼吸困難が出現し, 細菌性肺炎の診断で入院した. 入院後, 呼吸不全が急速に進行し, 人工呼吸管理下においた. 抗菌薬治療と大量ステロイド療法にも関わらず, 低酸素血症はさらに増悪したので, 第2病日より体外膜型肺 (ECMO) による血液酸素化を開始した. 同日よりエリスロマイシン (EM) 点滴静注を追加したところ, 肺炎は次第に軽快し, 酸素化も改善したため, 第6病日, 開始から92時間でECMOから離脱出来た. 全身状態の改善に伴い, 第13病日には人工呼吸管理からも離脱し, 第86病日に退院した. 血清抗体検査によりレジオネラ肺炎と診断した.

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