日本胸部疾患学会雑誌
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肺の primary cavitation を伴い多発性中枢神経浸潤を認めたサルコイドーシスの1例
中山 智子橋本 修荒井 邦彦中沢 弘企堀江 孝至
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1997 年 35 巻 12 号 p. 1400-1406

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抄録

肺の primary acute cavitation と中枢神経系に多発性結節を認めたサルコイドーシスの20歳男性例を経験した. 本症例は咳嗽, 頭痛を主訴とし, 胸部レントゲン写真上, 両側肺門と縦隔リンパ節腫大, 両側肺野に多発性空洞陰影, および, びまん性粒状影を認めた. 経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫が証明され, 感染や線維化の所見が認められないため primary acute cavitation in sarcoidosis と診断した. 頭痛の精査にて頭部CT施行するも所見なく, 頭部MRIにて多発性の結節を認めた. サルコイドーシスにおいては肺に原発性空洞を呈することは稀であり, また, 中枢神経系サルコイドーシスで多発性結節性病変を示すものも稀である. 本症例のように, 頭痛を認めた場合にはMRI検査を施行し, 病変の有無を確定する事が必要であると思われた.

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