日本臨床外科学会雑誌
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症例
高齢者に発症した特発性食道破裂の1例
松島 一英嘉陽 宗史濱元 誠栄福里 吉充
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2007 年 68 巻 2 号 p. 318-322

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抄録
症例は84歳, 女性. 食事中に嘔吐した後より上腹部痛が出現したために当院救命救急センター受診した. 胸部X線写真では左胸水と縦隔陰影拡大を認めた. 胸部造影CTにて下部食道周囲の縦隔気腫と左側胸水貯留を認め, 特発性食道破裂の診断にて発症から約20時間後に緊急手術を施行した. 左開胸にてアプローチし, 胸部下部食道左壁に約2cmの穿孔を認めたため, 縫合閉鎖と肋間筋による被覆術を施行した. 術後縫合不全による局所的な膿瘍形成を認めたものの, 絶食と経腸栄養にて軽快した. しかし, 転院直前にMRSA肺炎を発症し, 術後65日目に死亡した. 高齢者における特発性食道破裂の報告例は比較的稀であり, 特に80歳以上の症例については依然として予後不良である. 本症例は, 胃食道逆流症が吻合不全や術後肺炎の誘因となった可能性があり, 胃底部による縫合部被覆や噴門形成といった術式も考慮すべきであったと考えられた.
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© 2007 日本臨床外科学会
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