日本臨床外科学会雑誌
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症例
魚骨による虫垂穿孔の1例
花本 尊之井上 行信砂原 正男高橋 雅俊
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キーワード: 魚骨, 虫垂異物, 虫垂穿孔
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2008 年 69 巻 3 号 p. 576-580

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抄録
魚骨による虫垂穿孔の1例を経験したので,最近10年間に本邦で報告された虫垂異物48例と,魚骨による虫垂炎・虫垂穿孔の論文報告27例の検討を加え報告する.
症例は56歳,男性.2日前からの右下腹部痛を主訴に近医より当科に紹介受診となった.腹部超音波検査と腹部CT検査で,腫大した虫垂と虫垂内腔に点状の構造物を認めたため,糞石を伴う急性虫垂炎の診断で虫垂切除を施行した.虫垂は全体的に腫大しており,虫垂先端には2.5cmの魚骨が穿通していた.
本邦の虫垂異物は魚骨が原因となることが多く,穿孔をきたし易い.魚骨による虫垂炎・虫垂穿孔の術前診断は困難であるが,腹部画像所見で線状構造物を認めた際は,魚骨の存在を考慮すべきである.また,腹部腫瘤を伴う右下腹部痛の症例を診察するときは,魚骨による虫垂穿孔と炎症性腫瘤の形成の可能性を常に念頭に置くべきである.
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© 2008 日本臨床外科学会
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