抄録
胆嚢癌はその大部分が腺癌であり,内分泌細胞を起源とする悪性腫瘍は稀である.
内分泌細胞を起源とする悪性腫瘍は,以前はカルチノイドとして一括に分類されていたが,近年比較的発育が緩徐で予後良好な(古典的)カルチノイドと,発育が早く予後不良な内分泌細胞癌に分類された.この考え方は胃においては確立されつつあるが,胆嚢をはじめ他の臓器では十分に浸透していない.しかし組織学的・生物学的悪性度の違いから予後に大きな違いをきたすため,両者を明確に区別しておくことは重要なことである.
今回われわれは,胆嚢において内分泌細胞癌と腺癌が併存した,比較的稀な腺内分泌細胞癌の1例を経験したので,その臨床的特徴について若干の文献的考察を加えて報告する.