日本臨床外科学会雑誌
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症例
高齢者に発症した破傷風の2例
古賀 裕村上 光彦高松 祐治柏木 孝仁
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2009 年 70 巻 10 号 p. 2941-2944

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抄録
破傷風は,適切な治療を迅速に開始しないと死にいたる感染症である.症例1は82歳,男性で開口障害のため前医を受診し,けいれん発作を発症し当院に紹介受診となった.右下腿に汚染創を認め,破傷風として治療を開始した.人工呼吸管理を2週間行い,入院35日目に軽快退院となった.症例2は78歳,男性で咽頭痛,嚥下困難のため当院受診となった.外傷はなかったが,呼吸困難とけいれん発作を認めたため破傷風として治療を開始した.人工呼吸管理を5週間行い,入院60日目に軽快退院となった.嚥下困難や項部硬直のある患者は破傷風も鑑別診断として考慮すべきである.DPTワクチン接種による基礎免疫獲得は破傷風予防に有効であるが,追加接種をしないと20年で効果は減弱する.基礎免疫のない症例の急性期の予防には,トキソイドとともに免疫グロブリン投与が勧められ,さらに2回のトキソイド追加投与で基礎免疫を獲得することが重要である.
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© 2009 日本臨床外科学会
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