日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
アレルギー対策としての手袋パウダーフリー化とポリウレタン手袋使用の経験
黄 泰平藤川 正博安政 啓吾田中 恒行広田 将司西田 幸弘
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2009 年 70 巻 12 号 p. 3512-3516

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抄録

筆者はラテックスおよび手袋,薬品アレルギー患者となった.手袋のパウダーフリー化およびアレルギープロテクトグローブとしてのポリウレタン手袋内履きの試みを報告する.症例(筆者):1985年外科医として勤務.手の皮膚炎から,ラテックスフルーツ症候群,喘息,全身の小痒疹出現.I型およびIV型アレルギーが重症化し,2004年に離職.パウダーがラテックス抗原暴露の原因となるため院内のラテックス手袋はパウダーフリーとし,合成ゴム手袋で2005年に復職.しかし,IV型アレルギーが再燃したため2008年より添加化学物質のない未滅菌ポリウレタン手袋(デュラクリーン®ライクラ®)を内覆きし,速乾式アルコールを塗り合成ゴム手袋をはめる方法で手術を施行し,アレルギー反応は改善した.結語:1,ラテックス手袋はすべてパウダーフリーにすべきである.2,ポリウレタン手袋を内履きすることはアレルギー対策に有効である.

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© 2009 日本臨床外科学会
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