日本臨床外科学会雑誌
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症例
5-S-cysteinyldopaの測定が有用と考えられた食道原発悪性黒色腫の1例
阪田 和哉小塚 雅也高瀬 功三金丸 太一山本 正博出射 由香橋本 良成
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2009 年 70 巻 9 号 p. 2673-2676

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抄録

症例は80歳,男性.近医にて毎年上部消化管内視鏡を受けていた.2005年7月,前回検査ではみられなかったが食道胃接合部直上に境界不明瞭な黒褐色の色素斑を認めメラノーシスと診断され厳重経過観察となった.20カ月後の検査にて若干の拡大と隆起,色調変化があり,生検にて悪性黒色腫と診断された.年齢と併存疾患により非開胸食道抜去施行した.T1a,n0,stage 0であったが,壁内転移を認めた.手術より20カ月後他病死された.画像上明らかな再発は認めなかった.また,5-S-cysteinyldopa(5-S-CD)は皮膚科領域において黒色腫の腫瘍マーカーとして有用とされているが,食道原発悪性黒色腫における5-S-CDの報告はなく今回測定できたので貴重な症例と考え報告する.

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© 2009 日本臨床外科学会
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