日本臨床外科学会雑誌
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症例
直腸癌骨盤内再発に対しての反復手術で長期生存を得られた1例
盛口 佳宏山本 聖一郎藤田 伸赤須 孝之森谷 冝皓
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2010 年 71 巻 1 号 p. 169-173

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抄録

57歳,女性.近医にて直腸癌に対し低位前方切除術を施行され,術後8カ月の吻合部再発に対して,腹会陰式直腸切断術を施行された.しかし,その後仙骨前面に2度の骨盤内再発をきたした.1度目は腫瘍・子宮付属器合併切除術後に化学療法,2度目は放射線療法後に腫瘍切除術が施行された.いずれも完全切除であったが,その7カ月後に,再度骨盤内再発の診断で当院受診となった.当院では仙骨合併骨盤内臓全摘術を施行した.切除標本では高分化腺癌が存在し,完全切除であった.術後6年目に交通事故死するまで再発を認めなかった.直腸癌では,骨盤内再発を繰り返しても,拡大切除で長期生存が得られる症例を経験する.本症例のような場合,根治拡大手術を考慮し,慎重な治療方針の選択が必要である.

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© 2010 日本臨床外科学会
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