日本臨床外科学会雑誌
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症例
PET/CTが診断上有用であった腹腔内デスモイド腫瘍の2例
井上 雅史安宅 正幸山根 祥晃角 賢一
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キーワード: デスモイド, PET/CT
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2010 年 71 巻 10 号 p. 2722-2727

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抄録

PET/CTが診断の一助になったデスモイド腫瘍の2例を経験した.症例1は64歳,男性.腹部しこりを自覚され当院紹介となった.CT検査で腹腔内に計3個の辺縁明瞭な腫瘤を認めた.PET/CTでFDGの集積は弱くMRIにて線維成分を有する腫瘍と考えデスモイドを第一に診断し小腸部分切除術を行い摘出した.病理組織診断でデスモイドと診断した.症例2は71歳,男性.膵頭十二指腸切除後の経過中に腹部腫瘤を認め当院紹介となった.CT検査で8cm大の右尿管を巻き込む辺縁明瞭な腫瘤を認めた.PET/CTでFDGの集積は弱く転移や再発の可能性は考えにくく針生検を行った.病理組織診断でデスモイドと診断した.鑑別診断の多い腹腔内腫瘍に対してPET/CTを撮影することは悪性度の把握につながり有用なツールとなり得る.

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© 2010 日本臨床外科学会
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